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​日本産鳥類の生物地理学を通して​理解する​移動と進化の関係性

Keywords

​生物地理学、系統地理学、分布、移住、長距離分散(LDD)、分断、種分化、環境適応

Study species

​日本産鳥類全般

​特にカケス、アカモズ、モズ、シマクイナ

図1.png

生物の分布はどのような要因で決定されているのか?

生物学におけるもっとも基本的かつ古典的な問いの一つで、生物地理学として古くから研究が進んできました。生物の分布のパターンを読み解くことで、生物の分布を生じる移住がどのように生じるのか、制御する地理・環境条件、分布を通して生じる生物の進化や種分化、地球上の生物多様性が形成されたプロセスなど、研究が統合的に進められています。

かつては生物地理学は記述的な側面が強い学問でしたが、近年、科学的体系化が急速に推し進められています。一方で、それぞれの種分布や地理の特異性が見過ごされています。種や分布の生物地理学的な"個性"はどのように進化、そして生物多様性に影響を与えたのでしょうか?
 

私は生物が持つ生物地理学的な偶然性に着目して研究を進めています。

日本の鳥類の面白さ?
鳥類は空を飛べます。そのため、陸地だけでなく、他の多くの動物は超えられない海や砂漠の上を移動できるのです。

日本は陸橋列島と呼ばれています。はるか昔の氷期(氷河期)の頃には、北海道や九州は大陸と陸続きでした。そして氷期は数百万年の間に何度も訪れては日本を「大陸の半島」にしました。

鳥 X 日本を考えると実に面白い予測が成り立ちます。何度も大陸と陸続きになった日本。哺乳類などの多くの動物はこの期間に集中して日本へ渡ってくることを余儀なくされたことでしょう。

 

しかし、鳥では海を渡ったものもいれば、陸伝いにやってきたものもいるのではないか?種ごとに多様な起源があるんじゃないか?

同じ日本の鳥でも、その歴史が種ごとに多様であれば、その多様性は進化にどのように影響を与えたのか?この疑問に答えることのできるシステムが日本の鳥なのです。

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